1. はじめに
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)は、企業向けLinuxディストリビューションとして広く知られていますが、**個人開発者向けに無料で使える「Red Hat Developer サブスクリプション」**が提供されています。
今回は、このサブスクリプションを活用して、Hyper-V上にRHEL 9の仮想マシンを構築する手順をご紹介します。
対象読者:
- RHELをこれから触ってみたい方
- Windowsで仮想環境を構築したい方
- 学習目的でRHELをインストールしたい方
2. Red Hat Developer サブスクリプションとは?
Red Hatは開発者向けに「Red Hat Developer Program」を提供しており、
個人利用であれば無償でRHELを利用可能です。
登録は無料で、以下の内容が提供されます:
- RHELの最新ISOイメージ
- 最大16台までのインストール可能ライセンス
- Red Hatのナレッジベースへのアクセス
3. RHEL 9 ISOイメージの入手方法
- Red Hat Developer Program にアクセス
- アカウントを作成し、ログイン
- ナビゲーションから「Downloads」 → 「Red Hat Enterprise Linux」へ進む
- RHEL 9の「x86_64」向けのISOをダウンロード
ISOの種類は「DVD ISO」を選択してください。GUI付きのインストーラが含まれています。
4. Hyper-Vで仮想マシンを作成する手順
Windows 10 Pro/11 Pro 以降には「Hyper-V」が標準搭載されています。
準備
- 管理者権限でHyper-Vマネージャーを起動
- ISOファイルの保存場所を確認
仮想マシンの作成手順
- 「操作」→「新規」→「仮想マシン」をクリック
- 名前を入力(例:RHEL9)
仮想マシンの保管先:空き容量が十分にあるドライブを選択 - 世代は「第2世代」を選択
- メモリ:4GB以上推奨(2048MB以上でも動作可)
- ネットワーク:既存の仮想スイッチを選択(なければ作成)
- 仮想ハードディスク:20GB以上で作成
- 「ブート イメージ」でRHELのISOファイルを指定
- 完了後、仮想マシンを起動
5. RHEL 9のインストール手順
仮想マシンを起動すると、RHELのインストーラ(Anaconda)が起動します。
インストールの流れ
- 言語の選択:日本語でもOK
- インストール先:仮想ディスクを選択(自動構成で可)
- ソフトウェアの選択:「Server with GUI」推奨
- ネットワークの有効化:インストーラ内でONにしておく
- rootパスワードとユーザー作成:任意に設定
インストール後、再起動するとRHEL 9が起動します。
6. おわりに
以上が、Hyper-VでRHEL 9をインストールする一連の手順です。
これでローカルで自由にRHELを試せる環境が整いました。
次回はパッケージの追加など、構築したRHELの仮想マシンを触っていきます。
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